2016年04月30日

112:早朝稽古


 しばらく体調をくずしていた整体師のTさんが稽古に復帰。恵比寿時代からの稽古仲間だということもあり、嬉しい限りです。
「遅れを取り戻したい」とのご相談があり、一緒に早朝稽古を行なうことになりました。
 平日稽古のある(火)(木)に、朝6:30から8:00まで稽古をし、木刀や居合刀、稽古着など重くてかさばるものは道場に置いて身軽に出勤。そして夜の稽古後に回収して帰宅します。
 私も、普段の指導とは別に組太刀などの時間が持てるようになり、(火)(木)の朝が楽しみでなりません。
 出勤前にジムやプールでひと汗流す「意識高い系」とやらを「そんな自分のことが大好きそうな人たちだな」と、やや距離をとった目で見ていたのに、気が付けば似たような生活サイクルになりつつあります。
 もっとも私は意識低い系なのか早朝稽古の日は昼食後に眠くなってしまい、仕事人としては反省することしきりです。体質が合わないためカフェインでごまかすことも出来ず、う〜ん…。ま、そのうち慣れとともに解決することでしょう。

 あと、うちの道場にはシャワーないんですよね。気温が高くなってきたらどうしようかなと。

 濡れタオルとこれ↓の合わせ技で、事足りますかね。
 制汗_R.jpg 
(似たような環境の対策をお持ちの方、いらっしゃいましたらぜひご教示ください)

posted by 秋山勇浩 at 14:59| Comment(0) | 稽古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月22日

108:(土)小太刀 稽古記録16/03/19 フランス演武準備(3) 〜小太刀修繕〜


 演武手順 第二案、通らず……… 〇| ̄|_

 まあそれはそれとして。

 ハンガリー支部から拝借してきた組太刀用の小太刀。鞘の刃側、鯉口から栗形あたりが派手に破損しています。
 今度のパリ演武で使うので修繕せねばなりません。
 IMG_0510_R.JPG
(漆の剥げたところから短冊状の銅板が見えます。)

 真剣ではないので 「抜刀のたび鞘の内側が次第に削れてきて、あるとき鞘割れして左手の水かきがザックリ」 ということはないはずです。したがって、その予防のための金属板ではないでしょう。たぶん。
 IMG_0511_R.JPG

 何ですかね。
 まあよく分からないながらも何らかの意図があって貼り付いているのでしょう。反りやゆがみがあり、はっきり言って塗り直しの邪魔なのですが、残します。
 軽く叩いて形を整え、浮いている部分を瞬間接着剤で固定し、それでもめくれている部分はヤスリがけ。
 IMG_0513_R.JPG

 で、これ。
 以前も紹介しました、和竿の補修糸です。
 補修糸_R.jpg

 これを鯉口側から栗形までぴっちりと巻いて……カシュー漆で固めます。
 IMG_0515_R.JPG


 そして補修ついでに手を加えたいのが、塗りです。もともとこの小太刀は「呂塗り」なのですが、私はこれが苦手で苦手で……
 通常、抜刀は左手で鯉口を切りながらいったん鞘を引き出し、これを再び腰まで引き戻しながら抜きます。「鞘送り」、「鞘引き」といい、この両手の仕事の割合は左の方が優勢で、6:4から流派によっては9:1までになることもあります。私の場合は体感で7:3くらいでしょうか。いや、もうちょっと左優勢かな。
 ところが呂塗りだと摩擦の具合が悪く、右手一本で抜かねばならないくらいに鞘が引けません。


「表面が平滑な鞘塗だと汗を含んだ帯が絡んでしまい、鞘引きなどの所作をしづらくなることがあります。」
(リンク先:居合刀と模造刀、刀装具の専門販売店 慈成『居合刀の選び方』より)


 私は汗をかかなくても引っかかるんです……もう何というか、「滑り止めでも塗っているのか」というくらい。
 帯が悪いのか腕が悪いのか、またはその両方か。演武プランが急に変わって「抜き」(※)にでもなったら、私はこの刀だと100%しくじります。
 今度のイベントはフランスの人気番組で、しかも編集なしの生放送です。うっかり流血事故でも起こした日にはあちらのお茶の間が凍りいてしまうことでしょう。リスク回避のために出来ることは何だってやっておくに越したことはありません。

 というわけで、演武にあたり田中光四郎先生にご相談申し上げ、許可を得た上で、鞘を「石目」に塗り変えました。

 塗料の食いつきが良くなるよう、表面の脂落としがてら粗めのヤスリで軽く磨きます。
 ヤスリ1_R.jpg
(栗形、石突きなどはマスキング)

 塗りの道具はこちら。左から茶漉し、カシューうすめ液(溶剤)、カシュー漆、古び粉
 塗装道具_R.jpg

 茶漉しは100均で買ったものです。網を外し、おなじく100均購入のガーゼをあてがい、
 茶こし2_R.jpg

 ふたたびハメます。古び粉は粒子が非常に細かく、茶漉しの金属網ではふるいきれずに「ドバ」っと落ちてしまいコントロールがきかないのです。
 茶こし3_R.jpg
 茶こし4_R.jpg

 塗装作業はベランダにゴミ袋を広げて。
 ベランダ_R.jpg

 たっぷりめにカシュー漆を塗り広げ、そこに古び粉をふるい落とします。
 しばらくすると古び粉にカシューが染み出して微細な凹凸が生じますので、さらにカシューで固めて出来上がり……というのが手順なのですが、私が出来るのは狭めの範囲だけで、広くなると均質に仕上げる自信がありません。
 用意はしてみたものの、やはり自分の持ち物でないのに冒険はよろしくないと思いとどまり、前回同様、自動車用ラッカーを使用しました。

 修繕完了。
 完成_R.jpg
 塗り4_R.jpg
以前よりも綺麗な石目が出るようになりました。鞘引きの滑りも好調。)


 ついでに、切先をもう少し丸めておきました。
 切先1_R.jpg
(左から組太刀用の大刀、組太刀用の小太刀、通常の小太刀居合刀)

 切先2_R.jpg
(切先拡大)

 来週末にはもうパリで演武です。
 あっという間だなあ…。


※抜き…日子流小太刀の、大刀に対する抜刀技法の名称。
posted by 秋山勇浩 at 00:16| Comment(0) | 稽古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月18日

107:(火)小太刀 稽古記録16/03/15 フランス演武準備(2)


 演武の流れを図におこしたものを用意しました。
  IMG_0593_R.JPG
(左:第一案、右:第二案)

・組太刀2本:小太刀 対 大刀
・護身技2本:対後ろ捕り、対短刀
・目録技2本:対短刀、対棍
・宗師演武:四方のさばき(短刀、短刀、短刀、大刀)

 昨年の靖国神社奉納演武が約30分であるのに対し、今回の持ち時間はわずか数分。その間にこれだけのものを行います。
 たんに悠然と歩いていたものをサササッとするだけでなく、出ハケの位置や武器の持ち替え・受け渡しなど無駄を極力そぎ落さなくては到底時間内におさまりません。
 なおかつバタバタなどせずスムーズ・スマートにゆきたいものです。
 だいたいのイメージではなく、手順を詳細に書き出すことで問題をあぶり出し、ひとつひとつ潰しておく必要があります。

 実際に予行してほぼほぼ上手く回ることを確認済の第一案は、われながらかなり整然として「和」のテイストもあるものと思っていたのですが、しかし提出して即却下。
 祭りといっても祭事でなくフェスティバルですので、そのあたりの空気に合わせる必要があったのでしょう。

「チンドン屋ですから」

 田中光四郎先生はよく、この種のパフォーマンスについてそうおっしゃいます。
 だから適当でいい、ということではなく、チンドン屋をやるときはチンドン屋として求められる最善・最高のものを用意せねば。
 ―― そういうところも先生の在り方のひとつなのかな、と思います。

 ガラッと変わった第二案(予行済)、通るかなぁ……通らないと(残りの日数的に)困るな。

 
 さて稽古は、演目中心で以下の通り。

・揺身歩(基礎鍛錬)

・受身(ウォームアップ&ケガ防止)

・棍 :機前
 ………棍のスウィングの受けにあたり、膝を落とすこと、一足踏み込むこと、押さえ方。肘・膝のコントロール。

・短刀:大浦落とし、
 ………短刀の突きに対し、同じく膝を落とし一足踏み込むこと、腰を切ること。弓張りに制したところからの脳天逆落としにつられて自らが崩れることのない、踏み込み位置の確認。

・短刀:肩底張り
 ………下から攻めることを特徴とする日子流のなかでもひときわ低く入ること。

・護身:後ろ掴み(三)
 ………脇を抜ける際にスキ間を作らぬこと。


 昨年夏頃(?)からお越しの美容師岩田さん、特訓にお付き合いいただいているうち特定の技が急激に伸びてきました。
 ひとつ取っ掛かりが出来ると、他の技法に生きてきますので、これからが楽しみです。

posted by 秋山勇浩 at 22:17| Comment(4) | 稽古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする