2014年06月22日

030:受身のこと(1)

 先日、黒岩洋志雄先生の五回忌を兼ねた稽古の集まりがあり、久しぶりに合気道の稽古に参加させていただきました。

 ですので、今回は日子流・田中光四郎先生ではなく合気道・黒岩洋志雄先生のお話です。

 受身と聞いて何を思い浮かべますか?
 おそらく体育の柔道でやったような、前方回転、横受身、後ろ受身などをイメージされる向きが多いのではないでしょうか。
 合気道でも似たようなものでしょう。

 いずれにせよ共通するのは「投げられてから」の「衝撃緩和の体勢またはその動作」であり、「事後」処理であるという点です。

 ところが黒岩洋志雄先生の教えによれば、受身とは「身体を先へ先へと運ぶことにより相手の技の働きを無効化してゆくこと」であり、さらには、崩しに対して踏み出すその最初の「一足」こそが受身に他ならないとおっしゃるのです。

「受身=踏み込み」ですよ?

 これは、私にとってかなり衝撃的なパラダイムシフトでした。
 言うまでもなく、私もまた「受身=受動的な衝撃緩和動作」という認識でしたし、その意味においてまずまず下手な方でないつもりではおりました。(※)

 そこへ持ってきて「受身=能動的な予防・相殺動作」という定義付けだったのですから。

 これは相当に画期的な思想なのではないかと思われます。
 言い換えるならば、むしろ今日的な危機管理のような「事前の備え」を、しかも流動的に行えということに他なりません。
 結果的にそうした処理をしている人は少なくないかもしれませんが、受身をこのように意識化・言語化して位置付けた人が、他にいるでしょうか?

 …さてここで、ちょっとだけ自己満足の披露になりますが、先日開催された、日子流のDVD発刊記念パーティーでの一幕です↓

 
 (演武全容は、こちら)

 1分15秒あたりからの技をご覧ください。
 板張り道場的なフロアで、肘を極められての逆一本背負の受身がキマっております。
 (技名:短刀捕り 肩当 担ぎ肘折り)

 いわゆる普通の「(事後の)受身」でない「(先回りの)受身」により、特別頑丈でもない私のような身体でも、板の間でこうした技をケガなく受けることが出来るようになるのです。

 ちなみに先回りしすぎるとヤラセくさくなるので、演武においては若干、気持ち「受身」を遅らせるのが、迫力を出すコツであるとも聞きました(いつのことだったかな…)。

 ケガの防止や危機管理の観点など、ご興味を持たれた方は、ぜひ「最初の一足」に意識を向けてみてください。
 今までと違う景色が拓けるはずです。

 もちろん机上の空論ではなく体感するのが一番です。
 ご一緒に汗を流しませんか?
(↑のような演武のおいし…きわどい役回りは私が引き受けますので、どうかご安心ください。)

 お問い合わせはこちらまで。


※…新体道棒術部では屋外の活動が多かったため、コンクリやレンガの上でさんざん転がされた経験もプラスに働きました。
posted by 秋山勇浩 at 17:43| Comment(0) | 稽古 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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